・中国関連本紹介
当店はYAHOO!登録サイトです
月分牌は西洋画の影響も受けつつ中国の伝統的な技法を受け継ぎ『明るく、透明感があり、線がはっきり』と言う特徴を持つ。 月分牌の作家たちは、西洋リアリズム絵画から、陰影によって立体感を出す人物描写や遠近法を導入はしたが、暗い影は極力省き、中国国画の淡い色合いの微かな陰影に変化させた。そして明るい色彩で女性を書いていった。 彼らは西洋のリアリズム、年画などの農民美術、国画からの手法や題材を吸収し『月分牌広告画』と言う新たな美術のジャンルを開拓した。月分牌の技巧上の独創性は『擦筆法』と呼ばれる『ぼかし』の技法である。筆に墨の粉をつけて、輪郭や影の部分を先に描き、その後で水彩を塗ると言うやり方だった。 最初から水彩に黒を混ぜると明度が落ちる。この方法によって絵の具の明度を明るいままに保ち、彩度も鮮やかなままに保つことが出来た。 こうした明るい画面によるリアリズムの手法はこの後中国共産党のプロパガンダ芸術に継承されていく… しかし絵の題材は『都市の快楽』から『農村の反映』に替わって行ったがその手法が変わる事はなかった。 これはこの『月分牌広告画』の技法の目的である人に与えるインパクト、つまり大衆に対するビジュアル的な宣伝手段としての美術、と言う点でこの技法が如何に優秀であったかと言う事を雄弁に物語っている。