胡同…不思議な言葉です。

この胡同と言うのは日本語で言う路地の事。

満州語の読みに漢字を当てはめて“胡同”と表記した。
胡族（漢民族に対するところの異民族）を表す“胡”との
融和を表す“同”をもって異民族王朝たる清に迎合した。
などともいわれますが、しかし胡同はモンゴル語の音訳だし、
胡同が北京に出来たのはまだ北京が“大都”と言われた元時代の事だそうな。

基本的に胡同は“四合院”と呼ばれる外側に窓を持たない建物に囲まれている。
それゆえ胡同は単調であり、迷いやすい。
最盛期には犬の毛より多いといわれたこれらの細い路地が北京を覆っていた。

驚くべきことは、どんな小さな胡同にも名前があること。
甚だしきにいたっては、2メートルの路地にさえ名前があった。

地図にも載らないこれらの細道の名前を知る唯一の手がかりが
この看板。

再開発で壊されていく胡同の、存在の証明でもあるのだ。